【ライフスキル】セルフケア

ASDのひとの場合、

感覚過敏や疲れやすいことによって日常生活や仕事に影響が出る場合が多くある。

これはASDの特性上、

セルフコントロールやセルフモニタリングの難しさがあることと関係しているといわれているそうだ。

 

働くにあたって、「仕事による貢献や自身の成長意欲があること」が前提にある。

持っている力を発揮してもらうために、職場での理解や協力(配慮)はあるが、

配慮の要求だけが先行すると働く自分自身の貢献の気持ちや成長意欲を損なうことにつながる。

就職やその定着にあたっては、「配慮」と「セルフケア」のバランスが大切である。

セルフケアと配慮のバランス

セルフケアと配慮のバランス

自分の状態把握

自分で自分の状態(良好・注意・悪化)

悪化状態を引き起こす、引き金が何か、

自覚し、状態に合わせたセルフケアができること生活する上で重要

 

セルフケアを身につけることでできること

  • 自分で今の自分の心身の状態がわかる
  • 自分の状態に合わせたセルフケアを行うことができる。
  • 周囲に自分の状態について理解してもらい、状態に合わせた配慮依頼をすることができる。

自分が気づいていなかった、注意状態

  • 何か問題が起こったとき、それに気づかず、あとになって気づくことがある。
  • 「困る」ということが具体的にどういうことか、ピンとこない。
  • 自分の気分の変化に気づきにくく、突然怒りが爆発したり、大きく落ち込んだりする。
  • 具合が悪いことに気づきにくく、気づいたら熱が上がっていたりしている。
  • 自分の疲れに気づきにくく、動けなくなるような状態になって初めて、疲れに気づくことが多い。

自分の良好サイン

身体に関するもの

  • 寝る前にリラックスできる。
  • 食欲がある。
  • 同じ時間に入浴ができる。
  • 食事をおいしいと感じる。
  • 軽い運動が心地よい。

考え方に関するもの

  • 前向きに考えられる。
  • ネガティブなことがあってもめげない。
  • 他人を許せる。
  • 何かをしようという意欲がある。
  • まあいいかと考えられる。
  • 感謝できる。
  • 人を信頼できる。
  • 自分を許せる。
  • 楽しいと感じられる。

行動に関するもの

  • 活動的になる。
  • 自分で決めることができる。
  • 身だしなみに気を使える。
  • 集中して物事に取り組める。
  • 人の話を聞くことができる。
  • 積極的になる。
  • 生活リズムが安定している。

自分の注意サイン

身体に関するもの

  • (寝ていても)眠気がある。
  • 頭痛や胃痛が出る。
  • 何をするにも億劫になる。
  • 頭がぼーっとする。
  • 緊張する。
  • 疲労感が出る。

考え方に関するもの

  • いろいろなことが気になる。
  • やる気がなくなる。
  • 神経質になる。
  • 嫌われていると感じる。
  • めんどくさくなる。
  • マイナス思考になる。
  • 焦る。余裕がなくなる。
  • 自分や他人への気遣いができない。
  • 憂鬱になる。
  • 考えがまとまらない。
  • 人の視線が気になる。

行動に関するもの

  • 自分の疲れを把握できない。
  • 話しが長くなる。
  • 落ち込む。
  • ひどく優柔不断になる。
  • 協調性が低下する。
  • 肯定できない。
  • 会話が難しくなる。
  • イライラする。
  • 人に一緒にいてほしくない。
  • 忘れ物をする。忘れたのではないかと不安になる。

自分の悪化サイン

身体に関するもの

  • 二度寝する。寝込む。
  • 強い疲労感が出る。
  • ぼーっとする。

考え方に関するもの

  • 放っておいてほしい。
  • 集中できない。
  • 嫌われていると感じる。
  • 人の視線が気になる。
  • マイナス思考になる。

行動に関するもの

  • 怒りっぽい。
  • 言葉や文字が乱暴になる。
  • 批判や悪口が増える。
  • 気持ちを伝えられない。

 

対処プランとして、短期プラン(どこでも10分でできること)と中長期プラン(休みの日にできること)を把握する。

短期プラン

身体の疲れを回復させるもの

内容 回復方法
血流改善

散歩する。

ラジオ体操をする。

ストレッチをする。

セルフでマッサージをする。

トイレに行く。

氷、ガムなどを噛む。

リラックス

横になる。

深呼吸をする。

栄養補給

お菓子を食べる。

食事の時にサラダやフルーツを食べるようにする。

水分補給 水、緑茶、ウーロン茶を飲む。

 気持ちの疲れを回復させるもの

内容 回復方法
五感を使う

音楽をきく。

ペットの写真を見る。

ペットを触る。

嗜好品 コーヒーを飲む。
関わり 一人になる。静かな場所に行く。
リラックス 瞑想する。

 中長期プラン

医療

内容 回復方法
服薬

頭痛薬を飲む。

湿布を貼る。

診察 主治医、カウンセラーに状態について相談、助言を受ける。

 身体の疲れを回復させるもの

内容 回復方法
疲労回復

通常の睡眠以外に仮眠をとるようにし、体力を回復させる。

マッサージ店に行ってマッサージをしてもらう。

エナジードリンクを飲む。

生活リズムの回復 23時寝る、決まった時間に食事、入浴するようにし、生活リズムを整える。

 気持ちの疲れを回復させるもの

内容 回復方法
問題解決 相談員に相談する。ブログに書いて気持ちを整理する。
リラックス 少し長く湯船につかる、ゲームする、一人で過ごすなどをして気分転換をする。
発散 外出する、喫茶店でお茶を飲む、運動する、カラオケに行く、テレビを見て笑うなどして気分転換をする。

 悪化状態への引き金になりうること

  • 過去の経験のフラッシュバック
  • 過度の疲労
  • 家族との衝突
  • 他人が自分を嫌いなのではと感じること
  • 過干渉・指示をされること
  • 強いストレス
  • 人間関係のトラブル
  • やることが多く、やらなければならないと感じること

 

何か気づいたら適宜追記していきます。