【ライフスキル】問題解決
発達障害の特性と問題解決
問題解決とは「現状を正確に理解」し「問題の原因を見極め」「効果的な打ち手を考え」て「実行・検証」すること。
問題解決の方法はどの方法が「正しい」か「正しくない」かではなく、どれが「早い」かや「安い」か「便利」かなどで考える。
発達障害の場合、障害特性でこの一連の問題解決の流れを適切に実行することが難しい場合が多く、過程でつまづいてしまう可能性がある。
特性と踏まえた問題解決の重要な視点
- 問題の発生状況や原因を把握できる
- より適切で現実的な問題解決策を選択できる
- 自分自身の思考・行動の特徴や他者の考え方を理解する
原因や手立てが明確にならないままだと結果として効果的な対策を考えることができず問題解決に至らない。
(例えば「遅刻してしまう」という問題に対して「遅刻しないようにしよう」では問題解決にならない。)
例
問題
十分寝ているはずだけど、日中眠く、訓練に集中できない。
原因の特定
※ポイント:思いつく案を出来る限り挙げる。
- 日によって寝る時間がラバラ、風呂に入る時間がバラバラ
- 寝る前にゲームをしたり、スマホをいじる
- 寝具が自分に合っていない
- 日中座っていることが多い(動いていない)
- セルフケア(ストレッチなど)していない
- コーヒーの摂取の仕方がよくない
- 夜中に母がトイレに起きてきて音がうるさい
- 朝食を食べない
問題点を明確にする(5W1Hなどの視点から整理する)
- いつ:日中の作業中
- どこで:事業所
- だれと:訓練講師
- 問題になっている行動:眠くて訓練に集中できない
- 自分への影響:せっかく参加しても頭に訓練内容が入らず、訓練の意味がない。
- 行動の結果に対する気持ち:後悔、罪悪感
- その結果を受けてまた行動しているときの気持ち:訓練参加しても意味ないかな、参加やめようかな
解決策の検討(具体的に。精神論ではなく)
「効果」「現実性」「選択判断」を○、△、×で判定する。
※ポイント:解決策案はできる、できない関係なく出来る限り挙げる。
解決の視点:日中眠くならないようにするには、どうしたらいいか。
解決策案 | 効果 | 現実性 | 選択判断 |
①生活リズムを整える。 | ○ |
△ 大幅な生活リズム変更は難しい |
△ |
②寝る前に湯船に浸かる。 | ○ |
○ |
○ |
③寝る前30分前からケータイ見ない、ゲームしない | ○ | ○ | ○ |
④汗を吸うシーツ、パジャマに変える | ○ |
○ マットを変えるのは難しいが、シーツ、パジャマなら変えられる |
○ |
⑤ランニングをする、帰りは大回りして家に帰る | ○ |
△ 継続が難しい |
△ |
⑥寝る前にストレッチ、マッサージをする | ○ | ○ | ○ |
⑦コーヒー飲むのは午前中だけ | ○ | ○ | ○ |
⑧トイレの音がしないように戸を閉めて寝る 誰かが開けたら閉めてもらうように言う |
○ | ○ | ○ |
⑨母親と別の部屋で寝る | ○ |
△ 別の部屋がない |
△ |
⑩昼寝をする(分割睡眠する) | ○ |
× 昼寝できる場所がない |
× |
11朝食を食べる | ○ |
△ 朝食作る時間を確保する必要がある |
△ |
12寝る前に明日やることを確認、イメージして寝る | ○ | ○ | ○ |
右上に分布している項目を実行してみよう!
最後に
「仮説」を立て「検証」するというと実験みたいだけど、実際の生活はこれの繰り返し。
この考え方を自分が違和感なくできるのは理系の勉強をしてきて良かったと思う。
今日はここまで。